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夜の散歩の理由

夜遅く帰宅する時にしか見かけない、犬の散歩をしているおばさんがいます。

近所に住んでいるはずなのに決まって夜にしか見かけないので、印象に残っていました。 

その犬はおそらくかなりのお年寄り。足が悪いのか、ひょこひょことした歩き方でゆっくりしか進めません。

なぜ暗くなってからしか散歩しないのか。もしかしたらこの飼い主の方は、自分の愛犬が好奇の目線に晒されないために、あえて夜に散歩させているのではないでしょうか。邪推かもしれませんが。

 

二つのことを考えました。

 

一つ目は、人間と同じように犬も老いていく、という当たり前の事実です。私の実家でも犬を飼っていますが、いつかは彼も外に出られなくなって、寝たきりになって…これは避けられないことであり、私たちはその準備を心の上でも物質的にもしなければならない、ということを今さらながら感じます。

 

二つ目は、大多数の他の人とは違う部分を抱えている人は、大多数の人が気づかないところで気を使ったり苦労していたりするのだ、ということ。これは犬の話というより人間の話です。

いくらお金の面では補助があったり支援ボランティアの制度が確立していたり、社会的には差別をなくす方向に向かっていたとしても、ぬぐってもぬぐいきれない隔絶が確かにある。この飼い主の方のように、何かを諦めていたりわだかまりを抱えていたりする人がたくさんいるのでしょう、私たちが気づかないだけで。

 

では具体的にどうすればいいのか、答えが見つかったわけではありませんが、

このざらざらした気持ちを忘れないでいたいと思います。

ありきたりな感想ですが、そうするしか今は思いつきません。